水素コンデンシングボイラーの試験所を新設

Japan | 20.06.2022

水素は、次世代のエネルギーとして期待されています。その中で、再生可能エネルギーを利用して水を電気分解し、水素と酸素に還元することで生産される水素のことをグリーン水素といいます。電気分解するのに必要な電気は、風力、水力、太陽光発電所など再生可能エネルギーを利用するため、二酸化炭素を排出せずに水素を作ることが特徴です。ブルー水素は、化石燃料を利用するが、生成過程で発生する二酸化炭素を大気に放出する前に回収する方法で生成された水素のことです。両方ともに、カーボン・ニュートラル水素※に分類されます。

このたび、テュフ ラインランドはVaillant社とともに、次世代エネルギーであるカーボン・ニュートラルな水素生産に貢献していくために、ケルンに水素コンデンシングボイラーならびに関連機器のための新しい試験所を開設しました。

今後テュフ ラインランドは、水素コンデンシングボイラーの新試験所を中心に、安心に使用できるボイラー、バーナー、瞬間湯沸かし器の試験・評価を行う第三者検査機関のパイオニアになることを目指します。

「ガス燃焼式コンデンシングボイラーの効率と、水素を安全に使用するための技術・構造要件の両方を調査しています。純粋な水素を使用する装置はまだ開発されたばかりです。テュフ ラインランドの試験所では、水素だけで動作するプロトタイプの試験も行っており、安心・安全な製品の開発に尽力してまいります」とテュフ ラインランドの熱事業部マネージャーであるMario Reimboldは、説明しています。

デバイスへの高い技術要求
水素は、従来の天然ガスよりも拡散しやすい特徴があります。そのため、例えば継手やシール材も、可燃性の高い物質が漏れて燃焼しないかを試験する必要があります。また、水素は天然ガスに比べて発熱量が小さいため、機器にはガスの流量をより多く確保することが求められます。従来の天然ガス専用で作られたボイラーやバーナー、瞬間湯沸かし器は、追加の認証が必要です。
Mario Reimboldは「私たちは、メーカーに代わってガスコンデンシングボイラーの水素親和性を試験しました。私たちの試験結果を基に、ドイツガス・水道技術科学協会(DVGW)は、設備が20%までの水素混合燃料に対する性能を有する証明書を発行しました。現在、水素専焼ボイラーの認証にも取り組んでいるところです」。

信頼性の高いラストワンマイル
どのようなときでも、安全は最優先されます。これはガス供給のラストワンマイル(住宅への接続から建物の中央給電用バーナーや家庭の瞬間湯沸器まで)にも当てはまります。最後の1マイルで水素が漏れないようにするため、メーカーとエネルギー供給会社はテュフ ラインランドの試験所で継手とバルブの試験をご依頼いただけます。
試験所のテストスタンドにある最新のガスコンデンシングボイラーは、Vaillant社のプロトタイプです。Vaillant社の国際認証部門を率いるLars Christiaans氏は、「現在、英国では水素のみで動作する機器の最初のフィールドテストが行われています。メーカー、エネルギー供給会社、第三者検査機関であるテュフ ラインランドが協力し合い、建物のエネルギー源としてカーボン・ニュートラルな水素を生産できる環境を整えてまいります」と述べています。

※カーボン・ニュートラル水素:製品のライフサイクルに置ける出発点(原材料の採取)から終点(排気や破壊・新たなライフサイクルへの以降)において排出される温室効果ガスの排出量がゼロまたはマイナスの水素。対策に対する要求事項となり、それぞれに対してセキュリティ機能を担保する上で必要な観点がライフサイクル全体で保障されるよう、適切なプロセスを持つことが要求されています。

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